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高齢者虐待に関しての質問
 
私は、78歳の要介護3の女性の訪問介護サービスをしています。その女性は、軽度の認知症の診断を受けており、45歳の息子さんと2人暮らしをしています。
女性には、月額にして20万円程度の年金がありますが、息子さんが管理しています。
息子さんは、1年前にリストラされて収入がなく、借金の支払いもあるようで、その年金を全部支払いに充ててしまい、家賃や女性の医療費・介護利用料などが滞納状態となっています。
女性が通帳を返して欲しいと言ったところ、息子さんから「死んでしまえ。」と言って首を絞められたと相談されました。
どうしたら良いのでしょうか。

回 答

2005年11月に制定され、2006年4月に施行された高齢者虐待防止法は、高齢者に対する身体的・精神的暴力、ネグレクトなどの他に、「高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること」を「高齢者虐待」に当たると定めています。

質問の息子さんの行為は高齢者虐待に当たります。
高齢者虐待は、親族によってなされることが多いのですが、高齢者自身が被害を申告することをためらい、表面化しにくいのが現実です。

そこで、法律は、医師、弁護士や福祉関係者などに高齢者虐待の早期発見義務を課するとともに、擁護者から虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、すみやかに市町村に通報するように努めなければならず、高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている場合には、すみやかに通報しなければならないと規定しています。

通報を受けた市町村は、高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている場合には立入調査を行ったり、一時保護施設に入所させるなどの措置をとります。
質問のような経済的虐待の場合には、高齢者の財産を守るために、市町村長が成年後見の申立をして、財産を適切な親族または第三者に管理させることもできます。
今回は、暴力もみられますから、すぐに市町村に通報するべきでしょう。

 
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