日弁連の消費者問題対策委員会では、破産法改正問題、個人再生手続の制定問題についてさまざまな研究活動をしました。アメリカやフランスで法制度や実態の研究をし、
あるべき倒産法に関する意見書を作成して法制審議会に提出しました。その結果、2001年4月1日から施行された民事再生法個人再生手続は、多重債務者の救済に有効なメニューを追加する内容となりました
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97年 ワシントンの連邦最高裁前で
パリ弁護士会にて
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リッチモンドの管財人事務所にて
2000年 パリ金利問題調査
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日掛け金融対策全国弁護団の活動では、ダイレクトに法改正に結びつけることができました。九州を中心に西日本一帯に多い日掛け金融は、
自営業者に毎日集金することを要件に109.5%という特例高金利が認められていたのですが、要件を満たさないサラリーマンや主婦への貸付け、まとめ払いや振込払いが横行し、また多数の保証人を付けさせたり、
滞納に対して悪質な取立をする被害が絶えませんでした。そこで、全国の97人の弁護士で「日掛け金融対策全国弁護団」を結成し、司法書士や被害者の会も連携して「日掛け金融全国対策会議」を組織して、
2000年2月から日掛け被害を撲滅する運動を始めました。熊本の加藤修弁護士が団長となり、私が事務局長となりました。
市民集会を開催したり、全国一斉の告訴、損害賠償訴訟活動をしたり、
財務局や金融庁への申し入れ、国会要請活動などを集中して行うことによって、2000年6月1日には、日掛けの特例金利を109.5%から54.75%に引き下げる法改正に結びつけることができました。
また、その後も日掛けの特例金利を定めた出資法附則の解釈について、「日掛け金融対策マニュアル」を出版して厳格解釈を主張していたところ、2001年1月には金融庁事務ガイドラインで、
弁護団の主張を大幅に取り入れた内容を勝ち取ることができました。まだまだ不十分な内容ですから、今後も運動を強めていかなければなりませんが、一生懸命運動したことが、法制度を変えることに繋がった経験は、
かけがえのないものとなりました。
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2000年12月に大分で開催された日掛金融対策全国会議
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